創世記における創世の原理

 創世記1章について簡単に書いておく。
 創世記には、「はじめに神が天と地を創造した」とあるが、これは要するに世界の分割である。つまり、天/地という二項対立的な原理の出現である。そして神の6日間の創造は、すべてこの二項対立を生じさせることで成り立っている。
 世界の初期状態として、「闇が大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を動いていた」とあるが、これは創造以前からそのような状態だったわけではなく、あらかじめこのような初期状態が創造されていたのである。この状態は世界に何の区別もない状態=混沌を表示しており、そこから区別を生じさせる、というところに創造の眼目がある。何かを作り出した、という点でいえば、光よりも先に作られたものがすでにあるのである。

第一日

 光の創造は、光/闇(昼/夜)の二項対立の現出である。

第二日

 大空の創造は、大空の上の水/大空の下の水の二項対立の現出である。

第三日

 水を集めた、というのは地/海の二項対立の現出である。
 植物は、種を生じる草/種のある実を結ぶ果樹の二項対立に基づいて創造された。

第四日

 太陽/月の二項対立が創造された(光/闇、昼/夜の強調をする役割)。
 →しるし、季節、日、年の分割。

第五日

 海の生物/空の鳥の二項対立。

第六日

 動物/人間の二項対立。