学生の時に「思想的なもの」の入り口が物語論入門的なものだったので、いまでも割と物事をとらえるときの発想は物語論的である(ただし入門レベルからいつまでも脱しない)。 信仰の正しさというのを合理的に証明しようとする無意味さに気づいたときに*1、ご…

進化論と神の創造を信じる信仰は調停不可能だし、また、調停する必要もない。神の創造を信じる語りは創造論とも呼ばれるが、そもそも「論」になってしまった時点で戦う土俵を間違えていると言わざるを得ない。進化論と神の創造は同じ土俵で戦ったりしない。…

八日目の蝉

「八日目の蝉(映画版)」を見た。井上真央と小池栄子の関係を見て(役の名前を覚えていないので役者名です)、ああ、これも「二人の女の子問題」の話なのかな、と思った。「二人の女の子問題」というのは、主に青春・成長物語で二人の女の子の関係を軸に話…

今日は詩篇を読んでいたら14篇と53篇がほとんど同じ内容であることに気づいた。多分知っている人にとってはいまさらな話だろうし、引照にもきちんと書いてあった。 自分では「おお、そうだったのか」と思ったようなことも、こんな風に引照やウィキペディアに…

ヘブル語…

やっぱりヘブル語も勉強するしかないかもしれない。ここ2年くらい現行の日本語訳聖書の翻訳の違いのというものに悩まされてきたけれども、周りに知識や気概のある人もいないし、できるところから自分でどんどん勉強して自分で訳していくしかない。 結婚して…

物語の論理性と時間

物語の主要な構成要素になるもののひとつとして、しばしば「ある主体の変容過程」があげられるんじゃないかと思うんですよね。 その変容過程というもののあり方の一つとして、その主体sが持っていた意見Aが、その反対意見であるBに変わり最終的にAではな…

アンパンマンについて

アンパンマンについてちょっと考えてみた。作者のやなせたかしによるとアンパンマンの物語は、善は悪がなければ存在しない、悪も善がなければ存在しない、という相補的な関係を持つ世界として作られている。 そのような世界観を前提にすれば、アンパンマンと…

女のかぶり物

やっぱり保留にしておく。先送り。

ふりをする君が代

サルトラさんがジジェクの「自分を種だと思い込む男の笑い話」と君が代問題を同型の話として書いていたのがわかりやすかった。確かに、面白いんだよなあ。本気で信じること、信じるふりをすること。でも、信じるふりをする人々にとって、本気で信じる人がな…

移行対象を持つ子どもを見かけた

今日、電車に携帯電話を忘れたので、駅の忘れ物相談センターに行った。係員に色々聞かれているうちに、隣の席に母親と3歳くらいの男の子がやってきた。親子の忘れ物はすでに届けられていたらしく、係員がすぐにカウンターにもってきた。で、その忘れ物とい…

燃える炭火を積む

Rom12:20の「燃える炭火を積む」という表現の解釈をめぐっては、相手の羞恥心を喚起するという解釈が最も一般的で、他には精錬のやり方を連想して相手の悪い部分を取り除くという解釈もなされているようだが、私としては、これらのような、文脈からも他の記…

ケルビムの顔

エゼキエル1章に出てくるケルビムの4つの顔は、2つずつセットになっているような気がする。 つまり、前後左右の軸にあわせて、獅子‐牛、人間‐鷲というセットができるのではないか。 獅子は王、牛は奴隷、人間は人間、鷲は神の性質の象徴であり、つまり王‐奴…

予定説についての小覚書

以前、ある長老の方が「カルヴァンは、最初から救われるものが決まっているということではなくて、救いは神の力だということを言っている」というニュアンスのことを言われていたことがあった。 私自身はカルヴァンの著作を実際に読んだことがないのでまだな…

ペレグ

ノアの洪水以前の人の寿命は大体900年を超えているのだが、それ以降はノアの息子のセムは600年、その後は450年前後で推移する。ところが、ペレグ以降はまた寿命が極端に減ってさらに半分くらいになる。ペレグが生まれたときに地が分かれたとあるの…

機動刑事ジバン

昔見てたんですが、敵のラスボスが、今までただの敵だと思っていたのに実は自分たちの垂れ流した公害から生まれた怪物だった、ということが明かされるんですよね。つまり事の原因は自分たちにあったという。70年代を経験した後の表現と言えるかもしれない。 …

生のものと火にかけたもの、という話がありましたが

この間聖書を読んでいたら、いけにえを生で食べるか焼いて食べるか煮て食べるかに三角関係が成り立っているんじゃないかと思いました。いけにえを食する、というのはイエス・キリストを覚えるということです。 生で食べるというのは表面的に覚えるということ…

例の表現規制問題についての適当なつぶやき

なんというか、この件は取り乱す人が多かったように思います。最近は、以前は割りと「はてサ」とその周辺として識別されていた人たちの間に様々な論点で対立が浮き彫りになるようなところがあるようにも見えますね。この件もそんな感じだった上に、どうも心…

日常生活

大学時代の友人から電話があった。なんでも就職が決まらず、焦ってさらにいい加減な就職活動をしてやはり決まらない、という悪循環に陥っているらしい。この不況下、やはり就職を控えた学生は大変らしい。 ところで、学校教育で教えられている仕事というのは…

ジェノサイド

結局のところはジェノサイドなのではないでしょうか。どんなに糊塗してみても、根本的な対立は避けられない。ただ、自分ではやるなと言われているから穏便に済んでいるのであって、それを共存の模索、みたいな話に落とし込むのはまったくの欺瞞でしかない。…

日常生活

人事異動でばびゅーんと飛ぶことになった。そのうちクビも飛ぶかもしれん。 早く寝よう。

脳の話

単純な脳、複雑な「私」作者: 池谷裕二出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2009/05/08メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 102人 クリック: 2,607回この商品を含むブログ (195件) を見る 脳科学者の連続講義を本にしたもの。前作の『進化しすぎた脳』も…

宗教は争いを引き起こすという話が

山内志朗さんという哲学者の本を手にとってみたら、冒頭でいきなり「ぼくのやってるのは宗教なんかとは違うぞ、宗教は争いをたくさん引き起こしてて哲学に比べてだめだめだな!」という趣旨のことが書いてあった。私は常々「宗教」といういいかげんなものの…

笑い

以前、大澤信亮が新現実の「マンガ・イデオロギー」で書いていた気がするのだが、笑いというのは日常の中に隠蔽されているもの*1を暴露するものだという話があったと思う。 そう考えると、ようするに笑いというのは内輪の空気、コミュニケーションの中で暗黙…

エロと表現の自由その2

表現の自由がどうでもいい、と書いたけど、2つの意味でどうでもいい。1つは表現の自由という思想がどうでもいいということと、もう1つは今回の件において表現の自由は本質的な問題じゃないという意味でどうでもいい。 人の心に闇だか地獄だかがあるとして、…

エロと表現の自由

いや、話題になっていたのでちょっと考えたけど、やはり私にとっては表現の自由を巡る話はどうでもいい。ポルノなんか弾圧されたってこの世の終わりまで滅びることはないでしょう。個人的感情としては撲滅してしまえばいいと思うし、それに消極的に協力でき…

事後的なもの

事後的に分かる、ということは、即虚構であるというわけではない。少なくとも、明確にそうであるとは言い切れない。たとえ事後的に判明したものだとしても、それは決して後付けではなく、隠れていただけで実は最初から本当にそうだったのだ、という判断もあ…

上げ底

少し前に、エホバの証人をやめかけている青年の体験談が増田に書かれていたのだけど、その中で、別に信じていないんだけど共同体の人間関係が捨てられないから残っている人たちの話があった。 一般的に、生きている中でよく考えて自分から選び取ってそうして…

なんとなく同じテーマで読めそうな本をメモしておく。

・キャシー・カルースの本 ・ジュディス・ハーマンのあれ ・下河辺美知子の本 ・名指しと必然性 ・フランソワーズ・ドルトの本(ラカンの片腕だったらしい)。

貧乏の基準

衣食に事欠く生活になったら貧乏かなと。それ以外は相対的にお金が少ないだけ。

盗まれた手紙と○○

連休中にふと思いついて青空文庫を見たらポーの「盗まれた手紙」があったので読了しました。いや、面白いですね。数学とか倫理学についてデュパンが言及しているところは難しくてよく分からなかったのですが、なんか応用が利きそうな話ですよね。 まず思いつ…